みんなでつくる素敵な世界

すべての人が自分の得意なことで人助けして互いにそれがかみ合った世界ができたら素敵と思ってます。

コーチングって何ですか?

コーチングの定義について、僕は以下の通りの理解でやっています。

コーチは明確な目標をもつクライアントの話に耳を傾け(傾聴)、クライアントが最短で目標を達成できるように質問力を駆使してお手伝いをします。コーチはクライアントに質問をし、クライアントはその質問に対する返答を思いのまま伝えます。その返答をしていく中でクライアントは新たな気づきを得て、ゴール達成のための行動へとつなげます。オートクラインと言って、人は自分の口で話していることを自分の耳で聞くことにより、新たな気づきを起こすことがあります。頭の中でいくら考えていても自分の耳で聞かない限りオートクラインは発生しないのだそうです。
理想的なコーチングセッションでは、コーチが話す時間よりクライアントが話す時間の方が圧倒的に多いです。コーチは沢山クライアントに話してもらうことでオートクラインが起こることを意識してセッションをします。

コーチングが効果的なクライアントの状態は、精神の状態がやる気に満ちていて現状を変えていこうというエネルギーのある状態の時です。これに対して精神の状態がエネルギーを欠き、鬱々とした状態の人に効果があるアプローチは、カウンセリングになります。
クライアントの精神状態が、ゼロの状態よりプラスにあればコーチング、マイナスにあればカウンセリングのアプローチが適切なものになります。

 


例えば、グループで仕事をする時に、上司が部下にコーチングを行う際に、部下がやる気がなく、仕事から逃げる振る舞いをしている状態の場合、コーチングは効果を発揮しません。コーチングを行う時は、クライアントとの間に、『今からコーチングをします』という意思への同意がとれた状態から始めなくてはなりません。上司が部下に何もいわず、コーチングによる質問を始めても、部下は詰問されているような居心地の悪い状態になってしまいます。質問に対して答えるのも、これをいったら面倒なことになるとか、率直ではない打算的な返答しかしなくなります。

クライアントが変化を受け入れて今よりさらに成長していこうという意思がある状態であればこそ、コーチングは機能します。

僕は育児の中でコーチングの作法を使ってきました。子供の好奇心に火がついている時にその作法はとても効果的だと思います。わかりやすかった例があります。

まだ幼稚園児だった息子を初めてスキーに連れて行った時のことです。僕は残念ながらスキーを滑れません。僕は息子にスキーを教えられないので、息子を1日スキースクールにいれました。ボーゲンでターンができる程度に滑れるようになった息子だったのですが、何故か翌日朝、滑ってみると身体の使い方をすべて忘れてしまったようで、ボーゲンで滑っているにもかかわらずブレーキをかけることもできなくなっていました。

ボーゲンで上からまっすぐスピードをあげて滑ってくる息子。。。数回試すも直滑降なボーゲン。そこで僕は息子にコーチングを使ってもう一度滑れるように質問をしてみることにしました(この時はコーチングをしますと断らなくても相手がやる気に満ちているので質問を効果的に受け取ってくれます)。

僕『今、ブレーキかからなかったね。何が悪いと思う?』
息子『んーとねぇ、、かかとに力が入っていたからだと思う(後ろ重心)』
僕『かかとに力が入っていなければ止まれるの?』
息子『うん』
僕『かかとじゃなかったらどこに力が入ると止まれると思う?』
息子『親指だよ』
僕『親指に力を入れると止まれるんだね?』
息子『うん、ちょっと行ってくるね』

息子は上から滑ってきて今度は減速して止まる事ができました。すごいね!できたね!と褒めてあげました。
止まることができた息子は次はターンをやってみるといって上に向かいました。斜面に対して斜めに滑り始める息子。そのまま斜め方向にまっすぐ行ってしまう息子・・・。どうにかこうにかおりてきた息子に質問します。

僕『曲がれなかったね?何が悪かったの?』
息子『んー・・・。曲がる時に外側足をこうしないといけないのにしていなかったよ(エッジをたてる仕草をする)』
僕『そうやったら(エッジを立てれば)、曲がることができるはずなの?』
息子『うん、そう。ちょっともう一回行ってくるね』

上にいった息子。滑り出す息子。でもさっきよりは曲がってはいるけれどターンと呼べるほどではなく。。降りてきた息子に質問をしてみます。

僕『今のは何が悪かったの?』
息子『うーん。。んー。。曲がる時に外側の足の親指に力が入っていなかったかも』
僕『親指に力が入っていれば曲がれるんだ?』
息子『うん。行ってくるね』

次に息子はターンをちゃんとやれるようになって降りてきました。
それ以降もいろいろできないことがあったのですが、降りてくる度に僕が2,3個の質問をするとその度に息子は滑りを改善して楽しんでいました。


これは前日にスキースクールで教わっていたからこそできたことでした。息子の中に答えはあり、僕は質問をすることによって一つずつ引き出してあげることで息子は滑れるようになりました。

この日、もし、息子がスキーをやりたくないという気持ちでいたら、コーチングは機能しないということがわかると思います。僕のすべての質問は鬱陶しいものにしかなりません。息子の中に滑りたい!という前向きな気持があるからこそ、そのゴールへ最短時間で到達する手伝いができたのです。やる気のない部下に上司が勝手にコーチングをしようと思っても困難なことがわかると思います。

スキーの滑り方だけでなく、仕事での能力を改善したいとか、趣味について、家庭について、すべての事に対して、コーチングは機能します。コーチはクライアントがイメージしているゴールに最短で到達するお手伝いを寄り添うようにするのです。